特定小型原付の全型式を数えた ― 令和8年8月31日時点で164型式・86社
国土交通省が公表している「保安基準適合性等が確認された特定小型原動機付自転車の型式」を全件起こした。おすすめを選ぶ前に、まず母数を確定させる。
電動キックボードの記事はたくさんあるが、「日本で何台の型式が公道を走れる状態にあるのか」を書いたものは見当たらない。おすすめ10選はあっても、10が何分の10なのかが書かれていない。
母数は公開されている。国土交通省が「保安基準適合性等が確認された特定小型原動機付自転車の型式」という一覧をPDFで出していて、令和8年8月31日時点の版には164型式が載っている。この記事は、その全件を機械的に起こして数え直したものだ。
数えた結果
| 確認された型式 | 164 型式 |
|---|---|
| 製作者等(届け出た事業者) | 86 社 |
| 車名(ブランド) | 108 種 |
| 歩道モードあり | 140 型式 |
| 歩道モードなし | 24 型式 |
まず目につくのは、車名が108種なのに製作者は86社しかないことだ。差の分だけ、1社が複数のブランドを抱えている。ブランド名だけを見て「たくさんのメーカーが競争している」と受け取ると、実態を読み違える。
型式を多く持っている製作者
| 製作者等 | 型式数 | |
|---|---|---|
| 株式会社Acalie | 12 | |
| 株式会社Funsedy | 9 | |
| 株式会社Luup | 7 | |
| 長谷川工業株式会社 | 6 | |
| SWALLOW合同会社 | 4 | |
| 株式会社KINTONE | 4 | |
| 株式会社プラタ | 4 | |
| 株式会社ブレイズ | 4 | |
| 株式会社E-KON | 3 | |
| 有限会社龍昇 | 3 |
上位10社で56型式。全164型式の34%を占めます。
上位の数社で全体のかなりの割合を占める。ここに出てくる社名は、店頭やECの商品名にはほとんど出てこない。売り場に出ているのはブランド名で、届け出をしているのは法人という二層構造になっている。
製作者はどこにいるのか
| 製作者等の本店所在地 | 型式数 |
|---|---|
| 東京都 | 51 |
| 大阪府 | 23 |
| 愛知県 | 22 |
| 神奈川県 | 16 |
| 兵庫県 | 9 |
| 福岡県 | 6 |
| 茨城県 | 5 |
| 千葉県 | 4 |
| 和歌山県 | 3 |
| 群馬県 | 3 |
東京・大阪・愛知・神奈川で大半を占める。輸入と卸の拠点がそのまま出ている形で、いわゆる製造業の集積とは分布が違う。
この一覧の読み方に注意がいる点
- 「確認済み=安全のお墨付き」ではない。性能等確認制度は、国交省が能力を審査して公表した民間の機関が、申請に基づいて保安基準への適合性等を確認する仕組みだ。確認を受けた車両にはシールが貼られる。ここに載っていることは「基準に適合していると確認された」ことを意味し、それ以上でも以下でもない。
- 載っていない製品が市場にある。確認を受けずに売られているもの、確認の対象外のものは、この一覧には現れない。「一覧にない=存在しない」ではない。
- 時点がある。この一覧は随時差し替えられる。本稿は令和8年8月31日時点の版に基づく。当白書は毎月取り直して、増えた型式を記録していく。
次回から見るもの
この記事は定点観測の第1号にあたる。翌月からは前月版との差分――どの製作者がいくつ型式を増やしたか――を出す。増え方は、市場のどこに資金が入っているかの、もっとも手に入りやすい指標になる。